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うつ病

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うつ病とは

悲しみ、不安、ゆううつな気分、無気力な状態が続き日常生活に重大な支障をきたしてしまう病気です。だれでも一時的にゆううつになったり、無気力になったりすることはあると思いますが2週間以上つづき日常生活ができなくなるということがポイントです。

うつ病の疫学

うつ病とは心のかぜともいわれ10人に1人がかかるありふれた病気です。傾向としては、男性よりも女性がなりやすく中年以降の発症が多いです。また、最近では、軽症うつ病や肩こり、不眠、頭痛などといった、身体的症状が目立つ、うつ病が増えています。

うつ病の症状

うつ病の症状は、大きく分けて気分の不調とからだの不調があります。

気分の不調には、ゆううつ、集中できない、イライラする、落ちつかない、興味がわかない、物事を決められない、やる気が出ないなどがあります。
からだの不調には、からだがだるい、疲れがとれない、めまいがする、頭が痛い、腰が痛い、便秘がする、肩がこる、息切れがする、胸がドキドキする、食欲がない、眠れないとありとあらゆる症状があります。からだの症状だけをみると内科を受診してしまうことがあります。

うつ病にはパターンがあります

うつ病は朝、調子が悪く、夕方から徐々に、調子が良くなってきます。これを日内変動と呼んでいます。ただ、なかには、疲れやすく夕方のほうが調子の悪い人もいます。また、季節によってうつ症状が変化する人もいます。これを、季節性うつ病と呼んでいます。日照時間が短くなる秋から冬にかけてうつ病になる人と、進学、就職等で環境が変わった春にうつ病になる人がいます。

どうしてうつ病になるかといいますと

ストレスなどによりセロトニン、ノルアドレナリンという脳内の神経伝達物質の働きが低下するためです。決して「気の持ちよう」ではありません。

どんなことがストレスになるかといいますと

転勤、昇進、就職、結婚、出産などの環境の変化、家族、友人の死や失恋などの別れることの悲しみ、子供の独立、更年期、リストラ、定年などの失うことの不安、病気やけがなどの身体的変化の不安などがあります。

どんな人がうつ病になりやすいかというと

  • まじめで几帳面、完ぺき主義なひと。
  • 他人に任せることができず、自分でやらないと気がすまない人。
  • 1つのことに執着する人。
  • 二者択一で物事を柔軟に捉えることができない人。
  • 他人の評価に過敏に反応する人。
  • 物事を悲観的にとらえ自分を責める人。
  • 感情の表現がへたで、自分の思っていることをなかなか口にできない人。

です。

どうすればうつ病にならないですむのでしょうか。

うつ病になりやすい人は、物事に固執し、ストレスをより強いものにしてしまいます。そのため、事実に対する受け止め方を変えなければいけません。「どうせ・・・」「私なんか・・・」「しかたない・・・」という口癖をやめればいいのです。

うつ病になってしまったらどうすればいいかといいますと

うつ病の治療の基本は、お薬と休養です。
お薬には、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬があります。
抗うつ薬とは、文字通りうつに対する薬です。うつ病の患者様は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの働きが低下していると考えられています。抗うつ薬は、そのセロトニンとノルアドレナリンの働きを回復させます。

抗うつ薬には、大きく分けて4種類に分けられます。

1番目は、SSRIです。これは、セロトニンの働きのみを回復させるお薬です。副作用が少なく最初に使われるお薬です。これは、パキシル、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフトがあります。

2番目は、SNRIです。これは、セロトニンとノルアドレナリンの両方の働きを回復させるお薬です。このお薬もよく使われています。具体的には、トレドミンのことです。

3番目は、三環系抗うつ薬です。これは、従来使われていたお薬です。副作用が強いのでSSRIやSNRIの効果がないときに使われます。具体的には、アナフラニール、トフラニールなどです。

4番目は、その他として、ルジオミール、テトラミドなどです。
抗不安薬とは、いわゆる安定剤のことです。うつ病の患者様は、不安、緊張、イライラを伴うことが多いので使用します。
不眠は、うつ病の最も多い症状のひとつですので睡眠薬を使用することが多いです。

お薬は勝手にやめてはいけません。お薬の効果が出るまで3~4週間かかることがあります。
急に中止すると副作用が出現することもあります。そのため、効果がないからと途中で勝手に薬を中止することはできません。

うつ病の経過

うつ病は、前駆期、極期、回復期、中間期の4つの段階に分かれています。
前駆期とは、うつ病の初期の段階で徐々にエネルギーが低下していきます。そのため、家事や仕事ができなくなり日常生活に支障が出始めます。また、焦り、不安、自分を責める気持ちが強くなります。
極期とは、抑うつ期ともいい、うつ症状があらわれる時期です。一般的には、この時期に病院を受診することが多いようです。
回復期とは、治療を開始し、回復に向かう時期です。うつ病は、急によくなるのではなく良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していきます。
中間期とは、治療がひと通り終了し社会復帰できる状態の時期です。再発予防を心がけ、同じような症状が出たらすばやく対処できるようにしておきましょう。

自殺について

うつ病による自殺で最も注意しなければいけないのは良くなりかけている時です。本当に症状が悪いときは、自殺をする元気すらありません。しかし、気力は改善しているが、抑うつ気分、不安、イライラ感が残っているときは、注意が必要です。少しでも変わったことがあれば、主治医に相談してください。

再発について

うつ病は、必ず治る病気ですが再発する可能性があります。うつ病になった時と同じ環境におかれた時に、再発する可能性が高くなるのです。つまり、過去の経験をよく覚えておき、初発時と同じ状況に陥らないようにしなければいけません。そのためにも、自分の状況を客観的にみることも大切です。

うつ病に合併する病気

うつ病に合併しやすい病気にパニック障害があります。
パニック障害とは、動悸、手足のしびれ、めまいが突然出現し「このままでは死んでしまうのではないか」と死の恐怖を体験する病気です。そのため、救急車で救急外来を受診したり、内科を受診したりしますが心電図などの検査では問題がありません。また、一度、死の恐怖を体験するとまた発作が起きるのではと不安になり外出ができなくなる人もいます。
また、適応障害という病気もあります。皆様には、五月病といった方が分かりやすいかもしれません。この病気は、新しい環境に適応しようとして心身にストレスがかかったり、新しい生活や人間関係にうまく溶け込めなかったりすることでうつ状態になります。

高齢者のうつ病について

最近、高齢者のうつ病が増えています。一般の人の2~3倍かかりやすいといわれています。高齢者のうつ病の特徴としては、抑うつ症状があまり目立たず身体的な訴えや、心気的な訴えが多いことです。
また、自殺の危険性がかなり高くなっています。認知症との区別が難しい点と妄想、意識障害が出現することもあるため診断が困難なこともあります。さらに、高齢がゆえにお薬の副作用もでやすくなっています。

家族はどうすればいいのでしょうか

1番大切なことは、励ましてはいけません。
がんばって今の状態にいるのですからこれ以上がんばれないと本人を追い詰める結果になってしまいます。

重大な決定は先延ばしにさせてください。決断力がなくなっているので仕事をやめる、引越しをするなどの大事なことを決定することはストレスになります。病気がよくなってから決めてください。

無理に運動や外出はさせないようにしましょう。
運動や外出は、健康な人にとってはストレス解消になります。しかしうつ病の人にとっては、逆に負担になりストレスの原因となります。

家事などの日常生活の負担を減らしてあげましょう。
まじめで、責任感の強い患者様が多いため具合が悪くてもがんばって家事をしようとします。家族の人が家事の負担を減らしてあげてください。

また、きちんと薬を服用するように気を配ってあげてください。
患者様本人は、薬の飲み忘れ、薬の副作用、症状の改善により薬の服用を中断してしまう可能性があります。このようなことがあると、うつ病の回復を遅らせてしまうので薬の管理をしてあげてください。

できるだけ通院に付き添い、受診に同席しましょう。
患者様は、頭の回転が悪くなっていて自分の考えをうまくいえないことがありますので、家での状況を医師に伝えてください。また、患者様と一緒に医師の説明を聞くことでうつ病への理解も深まります。
 

■外来を受診するときにどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか

うつ病の診察は、問診が中心です。以下のことを聞かれることが多いので受診前にまとめておきましょう。

  • 誰が、どんなことに困っているのか。家族なのか、本人なのか。
  • どのような経過をたどっているのか。いつから、どのようなことが原因で具合がわるいのか。
  • 前立腺肥大、緑内障、不整脈があると使えない薬がありますのでどんな病気にかかったことがあるのか。
  • 以前、効果があった薬、なかった薬が今後の治療の参考になりますので把握しておいてください。
  • 血のつながっている人で心療内科、精神科を受診したことがある人がいるかどうか。
  • 他の薬と飲み合わせが悪い場合がありますので、現在飲んでいる薬について確認してください。

まとめ

うつ病とは悲しみ、不安、ゆううつな気分、無気力な状態が続き日常生活に重大な支障をきたしてしまう病気です。決して「気の持ちよう」ではありません。治療法は、お薬と休養です。励ましてはいけません。あたたかく見守ってあげてください。

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