
強迫性障害とは、自分でもばかばかしいと思っていてもやめる事のできない行為で、<強迫観念>にとらわれ、<強迫行為>を行うことをいいます。
<強迫観念>とは、自分の意思に反して何度も頭に浮かんでくる考えです。
<強迫行為>とは、<強迫観念>から予想される、恐ろしい出来事を打ち消すために行う行為や、儀式の事を言います。
自分でもばかばかしいことをやっているとわかっていても、自分ではやめることができないことがポイントです。そのため、本人や周りの人が困っていなければ、治療の対象になりません。
<強迫行為>をしていると、次の<強迫観念>が生じるという悪循環になります。
強迫性障害の症状は、大きく分けて<不潔恐怖><加害恐怖><確認>の3種類があります。
治療は、薬物療法と認知行動療法です。
薬物療法は、副作用が少なく効果の高い抗うつ薬を使用します。
認知行動療法は、<強迫行為>をがまんし、不安をコントロールできるように訓練する治療法です。
不安を抑えるために行っている<強迫行為>が、次の<強迫行為>を強化してしまう悪循環を断ち切ります。
例えば、手洗いを止められない人の場合は、あえて汚いものに触り、きれいになっていないのでないかという不安、恐怖に慣れる訓練をします。
最初は、強い不安におそわれますが、徐々に慣れていきます。このような、訓練を繰り返すことで、不安を感じなくし、<強迫観念>を減らしていきます。